第18章 悪戯
「セバスチャン! 誕生日おめでとうっ!!!」
「はい……?」
一斉に声を揃え、会場にいた誰もがセバスチャンへお祝いの言葉を投げかける。セバスチャンはきょとんとした様子で、会場を見渡す。思いがけないセバスチャンの表情に、奥にいたシエルとソーマが笑いを堪えていた。
勿論、その様子はばっちりとセバスチャンの視界に映り込んでいた。
「アリス様……貴女、知っていたでしょう」
「まぁまぁ、とりあえずおめでとう?」
「そんなこと少しも思っていないでしょうに」
セバスチャンの黒い微笑みが降臨する。アリスは無意識に身の危険を感じ、彼から一歩離れた。
「セバスチャン!」
「坊ちゃん。一体これは」
「ソーマがどうしても、お前が今日誕生日ならば少しでも祝いたいと煩くてな。ああ、それとお前の驚く顔も見たかったからな」
「人が悪いですね……本当に」
「ハロウィンパーティー兼お前の誕生日パーティーだ。今日はお前も、ダンスを楽しめ」
シエルの指を鳴らす音を合図に、音楽が鳴り始める。誰もがこの時間を楽しむかのように、手を取り踊り始める。シエルもまた、エリザベスの手を取り踊り始める。