第34章 海常VS誠凛
日向はブロックによって得たボールを伊月に回し、外へと走り出した。追いかける森山を未だムスッ…としている木吉がスクリーンを使って止めた
フリーのまま日向は撃つかと思いきや、中にいた木吉にパスを出してシュートを決めた
木吉
「ナイスパスだけど」
日向
「スクリーンは良かったけど」
伊月
「な?」
火神
「(息は合ってる)」
氷室
「…強い。海常気迫は鬼気せまるものがある。だが誠凛のそれも決して負けてはいない」
黄瀬
「監督!やっぱり俺を…」
監督に頼もうとした黄瀬だが武内の顔を見た黄瀬はハッとして、歯を食いしばりながら黙った。その後第3Q終了の時、点差は既に8点差となっていた
その頃観客席では洛山のジャージを着た彼らが集団で歩いてきていた。その様子を見た観客はザワつき始めた
「あっおい、あれ…!」
「うぉ…やっぱ強そー」
「一足早く決勝進出を決めた高校最強…洛山高校…!そして1年みしてそれを率いる主将、「キセキの世代」赤司征十郎…!!」
彼の視線の先にいる火神はいとも簡単にダブルチームを抜いて木吉へとパスを出し、受け取った彼はそのままシュートを決め、第4Q早々10点差に引き離した
根布谷
「おうおうすんげーな。あのダブルチームをぶち抜くかよ」
実渕
「そこからパスを出してフィニッシュ、シンプルだけどキレイだわ」
葉山
「今のワンプレイでもわかるよ。強ぇー誠凛!!赤司どう思う?」
赤司
「そうだね、準決勝まで残ってきたのもきたのもうなづける。とてもできて2年目のチームとは思えない。海常もよいチームだがやはり涼太抜きでは手に負えないだろう
両チームの…戦力をふまえ、そして涼太の新技の使用限界が2分だとすれば」
相田
「15点差つければ、誠凛の勝ちよ!もちろん絶対という話ではないわ。けど15点差あれば無敵の完全無欠の模倣でも2分間で逆転はまず不可能
最後まで逃げ切れる公算が一気に高くなる。今10点差…あと5点で、王手よ」
彼女の話を聞いていた黒子は得点板を見てから相田に向かって「カントク」と話しかけた