第32章 海常VS福田総合
灰崎
「(…っくそが…!ダメだ。「キセキの世代」の技だけは。俺にも奪えねぇ…!!)」
ブロックを前にして黄瀬は青峰の模倣の型のないシュートを決めた。その様子に観客は盛り上がっており、海常の選手も志気が上がったようだった
灰崎は気が動転したのかチームメイトである望月のシュートを奪ってしまった。しかし黄瀬は紫原の模倣をして、かれのシュートを止めた
降旗
「そんな…紫原の模倣まで…!?」
相田
「I.Hの海常対桐皇戦、黄瀬くんは最低速を下げることでチェンジオブペースを再現していたわ。同様に緑間くんのシュートは利き腕でより溜めて撃つことで飛距離を、紫原くんのDFはジャンプ力を予想で守備範囲を再現している」
木吉
「けどそうして足りない要素を補填できたとしても。それだけでできるほど「キセキの世代」の技術は易しいわけはずがない。黄瀬涼太、底無しのバスケセンスだ」
そのまま残り8秒とまでなった所でついに海常は逆転をし、灰崎の脳内では帝光の時の記憶が流れてきた
彼はとある時に赤司からとある言葉を言われ、体育館で彼の胸ぐらをつかんでいた
灰崎
「あ"あ"!?赤司テメェ…今なんつった!?」
赤司
「バスケ部をやめろ。これは命令だ。むしろこれはお前を気づかってのことだ。素行は決して褒められたものではないが、今まで帝光の勝利に貢献してきた
だがお前は黄瀬には勝てない、近い将来スタメンの座を奪われるだろう。そうなればプライドの高いお前は結局いなくなる。早いかに遅いかだ。どちらにせよ結果は変わらない」
灰崎
「テメェ…」
その事を思い出した彼は「赤司の言う通りだったってのかよ…」と悔しそうにして色々思っており、ぶっつぶしてやる…!!と思いながら彼のケガしている足を踏んだ
審判も一瞬のことで気づいておらず、灰崎はそのままダンクを決めようとした
黄瀬
「…言ったはっずっスよ、ジャマすんじゃねぇって!勝つのはお前じゃない!俺だ!!」
彼は灰崎のボールを弾き飛ばしてそのまま敵のゴールへと走っていった。笠松からボールを受け取った彼はダンクを決め、その瞬間に試合は終了した
勝ったことに黄瀬は深呼吸して黒子と火神へ拳を向けた。その後ろでは灰崎が悔しそうにしており、青峰はそれを見て桃井に先帰ってろと指示をだした