第26章 『ゾーン』
青峰
「(桐皇学園…か、実績は…ここ数年で急成長してるトコか)」
今吉
「お、来た来た、青峰くん…やろ?」
青峰
「…誰だあんた?」
今吉
「今吉翔一、よろしゅう。ついさっきスカウトに来た桐皇の主将やらしてもらっとる」
青峰
「ああ…」
応接室をでてしばらく進むと今吉が立っており、会話を交わした青峰は関西弁…と思いながらなぜここにいるのかを聞くためなのか「で、何?」と問いかけた
今吉
「ウチは全国から優秀な人材のスカウトに力を入れとってな、特に「キセキの世代」なんて呼ばれるキミらはノドから手がでるほど欲しい選手や。どうしても1回見たかったんや」
青峰
「…ふーん。で?なんかわかったかよ?」
今吉
「…そうやなーま、思った通り…ちゅーか思った以上に繊細すぎるわ自分。桐皇にくるのはやめた方がええな」
青峰
「…あ?」
今吉
「ここ最近のビデオ見してもろたわ。自分の勝利を確信しとる反面、心のどこかで負けたい思てプレイしとるな
あまりに突出した力を持ってしまったゆえの孤独、しれが耐えられんからこそ望んどるんやろ?自分と対局…もしくは自分より強い相手を
けど残念ながらそんな望みは他のだーれも望んでへんねん。だからこそ監督も判断を保留にした。桐皇は特にそんなこと望んどらんからな
ちゅーわけで…最強でいる覚悟ができたら、入れたってもええで」
青峰
「…おもしれーなアンタ…考えとくわ」
今吉の話を聞いた青峰はかはっ…と自嘲したような笑いを浮かべてから、今吉にそう言った
青峰の記憶では以上のやり取りがあり、桐皇学園に入ったのだと推測された