第29章 ホワイトクリスマス
みゆき 「?なんでいかなかったの?」
聞いてから、あ、マズったと思った。
優菜の顔がどことなく陰ったから。
優菜 「超カンタンだよ笑 あたしさぁ、陸上に目覚めたのが3年の冬ってか12月の願書提出1週間前だったってわけ。でね、あたし推薦決定してたんだよね。1学期の成績表で既に。頑張ってたから。でね、ママに言ってみたのよ。『陸上系の高校行きたい』って、ね。・・・・でもね、陸上系の高校は一般試験だし担任との面談も終わらせてるから今更だしで、ちょっとヤバげだったんだよね笑」
そこまで一気に言い切り、ムリに作ったさびしげな笑みを浮かべて、カフェの天井を見上げて、先を続けた。
優菜 「だからね、ママとは大ゲンカ。血を見るような・・・っていうのはちょっぴり良い過ぎかもだけど物が飛ぶわ取っ組み合いするわで大ゲンカしたの。その末にね、私ママに断言したの。『明後日の大会で1位を取るから。そしたらあたしをいかせて。お願いします。』って頭も下げてお願いしたの。そしたら『最後よ』って言い捨てて、部屋にママ戻ったのよ。私、大会で・・・・・途中までうまくいってたの。」
そのころのことを思い出しているのか優菜はちょっと涙目になりながらこぶしを握りしめた。
きっと、凄くすごく悔しかったんだろう。