第28章 DTS製薬
ルイ 「・・・・・・・な、に?」
メガネを拾おうともせずに、私を見る。
みゆき 「だから、貴方の父、市原 元気が作るDTSサプリの特効薬はないのかと、聞いたのよ」
ハッキリと弦が伸びるような声で、ルイに伝える。
私のスッキリと肩の荷が下りたような顔とは違い、ルイはまるで、キツネに化かされたような顔をしている。
『意味』、つまり、私が『ソレ』-・・・DTS製薬のサプリを服用している・・・という事。
顔面蒼白と言う言葉がまさに正しいくらいに彼は動揺していた。
ルイ 「・・・・・・・D、T、S・・・・・・。」
一語一語かみしめるように言うルイ。
みゆき 「・・・。」
ルイは震える手で滑り落ちたメガネをとり、
ルイ 「悪いけど、知らないな。」
とはっきり、どこか苦虫を潰すように言い切った。