過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第66章 戦う理由
「ところで、今日の会議はどうだったんだ?
また豚共にイジメられたか?」
話題を変えた方が良いと判断したリヴァイが会議の成果を
エルヴィンに問うと、彼は情けない顔を一変させ
キリッとした団長の顔に戻って本日の成果を語り始めた。
切り替えの早さはエルヴィンの長所でもあり・・・
場合によっては短所とも言えるが、上に立つ者としては
重要なスキルである。
「その事に関してだが・・・他の兵士よりも君達には
先に伝えておこう。実は壁外調査の実施が決まった」
その一言で(約一名以外)和やかだった空気が一転して
ピリリとした空気に変わる。
「それは本当か?エルヴィン」
「ここで嘘を言っても仕方ないだろう?」
ミケの問いにエルヴィンが苦笑しながら答えていると、
ハンジが身を乗り出した。
「で?いつ?」
「今から半月後だ」
「半月っ!?いつもなら一ヶ月は準備期間として置くのに!?」
前の壁外調査の時も性急な実施だったと思い返し、
また何かの罠ではないのか?と勘繰りたくなる。
だが、エルヴィンは余裕の表情で「心配ない」と返した。