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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第66章 戦う理由








「そういえば昨夜、エルヴィンがナナシの部屋に行ったんだろう?
何でドアを開けなかったんだ?」


何となく疑問に思い尋ねたミケは、ナナシの顔を見て
「しまった!」と後悔した。

どうやら触れて欲しくなかった話題だったようで、
先程よりも機嫌の悪さが酷くなったような殺気が
駄々漏れになっている。


「あー・・・すまない。答えたくないなら答えなくていい・・・」

「えー?何それ?あたしはそれ聞きたいなー」


空気クラッシャーなハンジがニヤニヤしながら言うと、
ナナシは据わった目をしながらあっさり答えてくれた。

多分色々面倒臭くなったのだろう。


「風呂に入っていて、出るに出られなかっただけだ」

「え・・・・・・・・・・・・」


ナナシの言葉に逸早く反応したのはエルヴィンで、
絶望に似た表情を浮かべている。


「そ、それは・・・・つまり・・・裸だった・・・という事か?」

「そうだ」


即答された答えにエルヴィンはガックリ肩を落としながら
後悔を口にした。


「何故・・・、何故私はあの時、合鍵を使わず帰ってしまったのだろうか?
一枚隔てた先にはナナシの裸があったというのに・・・・」


悲壮感を漂わせるエルヴィンに対し、
ナナシは青筋を立てながら地を這うような声で言った。


「合鍵使って入ってきた瞬間、あの世行きだったぞ。
命拾いしたな、小童」




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