過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第66章 戦う理由
暫くするとパスタを作り終わったナナシが
三人より離れた場所に座ってパスタを食べ始めようとしたので、
エルヴィンは足早に彼の下へ行き担ぎ上げて、
自分の隣の席に運んだ。
ストンと椅子に降ろされたナナシの顔には
リヴァイのように縦線が入っていて、
「何でここに運ばれたんだ?」と怪訝な表情をしていた。
ナナシを運んだ当人は満足そうな笑みを浮かべているのだが、
一部始終を見ていたリヴァイとミケはナナシに同情の眼差しを送る。
ここまで独占欲と執着を持たれたら、かなりキツイものがあるな、と。
硬い表情をしながら「頂きます」とナナシが
パスタを食べ始めたと同時に、今度はハンジが厨房に姿を現した。
ハンジは四人が美味しそうな物を食べているのに気づくと、
目を輝かせる。
「うっわー!超美味しそうなもの食べてるじゃん!あたしにも頂戴よ!!」
四人が飛びついてくるハンジを無視しながら黙々と食べていると、
怒ったハンジが喚き始めた。