過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第65章 男か女か
ミケはまだ直立不動のままで動く気配が無いが、
背後にいるリヴァイはいつでも「戦闘できます☆」というオーラを
放っている。
ここは真っ先にリヴァイに先制攻撃をしてからエルヴィンへ攻撃、
そしてミケの出方次第で逃走か戦闘というところだろう。
相討ち覚悟でやれば勝てないことも無い。
何より娼館行きをパァにしてくれたエルヴィンを殴りたかった。
エルヴィンが間合いに入る一歩手前で
リヴァイに先制攻撃してやると意気込んでいると、
エルヴィンは苦笑して間合いの二歩手前で足を止める。
「君と喧嘩する為にここへ呼び出した訳じゃないよ、ナナシ。
そう殺気立たないでくれ」
どうやらエルヴィンには全て見透かされていたようで、
思わず舌打ちが出る。
「殺気立たせるような事を誰がやったと思っておる」
「うん?・・・その件に関してなんだが、疑問に思ったんだ。
何故急に娼館に行こうなんて思ったんだい?」
人の言葉をさらっと無視して質問を投げかけてくるエルヴィンに、
ナナシはまた舌打ちが出た。