過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第55章 悪質
「ミケ・・・・自分で拭ける」
「背中じゃ見えないだろう?変なことはしない」
拭くだけだと言ってミケは優しい手付きで濡れた箇所を拭う。
その間にナナシに酒を掛けた男はリヴァイに
尋問されているようだった。
「わざと酒を掛けやがったな?てめぇどこの所属だ?」
「いででででっ!やめ!腕が折れる!!け、憲兵団だ!」
「あぁ?憲兵団様が何やってんだ?こいつをどうしようとしていた?」
「わ、私はただお酒を掛けたお詫びをしようと・・・っ!」
「お詫びに何をしようとしてやがった?こいつは嫌がっていただろう」
ギリギリと容赦なく腕を捻り上げると男はとうとう
「勘弁してくれ!」と泣きを入れてきたので、
リヴァイは乱暴に男を離す。
突き飛ばすように離した為、男は床に転がった。
リヴァイは見下すように男を一瞥した後、ナナシへ向き直り
声を掛ける。
「大丈夫か?ナナシ」
「あぁ、助かった。あと少し遅かったら私が殺っている所だったぞ」
「・・・・そりゃ、色々と危なかった」