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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第55章 悪質









「そう仰らずに・・・さぁ」


しつこく付き纏う男が、とうとうナナシの手を掴み抱くように
身体を密着させてきたので、ゾッと鳥肌が立った。


「自分は憲兵団所属で、なかなか好物件ですよ?
ここを抜けだして私と良い夜を過ごしませんか?」


これは悪質なナンパだ、と鈍いナナシでも気づいた。


わざと酒を背中に掛けて強引に誘ってきたのだと思うと、
本当に腹が立つ。


男がナナシの剥き出しの背中に手を触れようとした瞬間、
誰かにその腕を捻り上げられたらしく
「ぎゃっ!」という無様な悲鳴が聞こえ、
ナナシは後ろへ引かれ男から離された。


「おい、うちのもんに何してやがる」


男の腕を捻り上げていたのはリヴァイで凶悪な表情で
男を睨みつけていた。


「大丈夫か?今拭く」


ナナシの身体を引いて離してくれたのはミケで、
胸元にあったポケットチーフで背中を拭こうとしていたが
硬直していた青年シェフがハッと我に返り、
ミケにタオルや布巾を持って来たので、それ受け取って
背中を拭き始める。




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