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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第36章 模擬戦






「後で団長室に行くと言っただろう・・・?」

「そうだが、もしもまた書類の束があったら
荷物持ちがいた方が良いかと思ってね」

「もう書類など無いから、先に行ってろ」

「折角だから、君と一緒に行くよ」


最初から聞く耳を持たない様子のエルヴィンに、
ナナシは焦る。

この状態を知られたら、と思うと身体が緊張した。

エルヴィンはナナシにゆっくり歩み寄ると笑顔を向けて
話しかける。


「先程の模擬戦は素晴らしかったよ。
人間技とは思えない圧倒的な力だった。
もしかしたらリヴァイではなく君が人類最強なのではないかと
思うくらいだよ」

「・・・私は『人類最強』にはなれない」


ナナシはそもそも人類では無いから『人類最強』にはなれない。

それに『殺し』ではナナシの方が上でも、
『戦う』行為ではリヴァイの方が強いと確信しているので、
エルヴィンの言葉に頷くことは出来なかった。

『殺し』と『戦い』は似ているようで本質が全く違う。

そんなナナシの様子にエルヴィンは不思議そうな顔を向ける。



「何故?君は最強と言える程十分強い。
それこそ、立体機動無しならリヴァイよりも上だろう?」

「お主が欲しいのは巨人に対しての『人類最強』であろう?
ならば、リヴァイが最強だ。私は巨人相手にリヴァイ程の
強さを発揮出来ないからな」






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