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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第17章 物資と信用





ミケ達に振り返ったエルヴィンは「あと1発しか無い」と
ハンジに釘を刺すと彼女の拘束を解く。

羽交い締めから解放されたハンジは
水を得た魚のようにエルヴィンから銃をひったくった。
奇声を上げ続けるハンジを無視し、エルヴィンはナナシへと向き直る。


「リヴァイから聞いたよ。弾丸を打ち込んだ瞬間、
巨人の行動がおかしくなったそうだね。
あの銃にどういう仕掛けが?」

「・・・銃に仕掛けなど無い」


ナナシが答えるとエルヴィンの目が細められ、
威圧感が増した。

団長としての顔を見てこなかったナナシにとって、
今のエルヴィンの顔は新鮮と言えたが居心地は悪い。


「話したくないと受け取っても?」

「・・・そんなに知りたければ、その銃を解体すれば良い。
どうせ弾丸はそれしか無い」


嘘は吐いていない。

巨人が同士討ちを始めたのはナナシの特殊能力にある。
あれは本当に何の変哲もないただのリボルバー式の銃で、
仕掛けがあるとすればナナシの血液を付着させてある弾丸の方だ。


生物に流れる生体エネルギーを自分と同調させ
相手をある程度操ることが出来るが、
それには条件や限界もあって自らの身体への負担も大きい。

巨人のように大きく得体の知れないものは特に疲弊が大きく、
やりたくないというのが本音だった。

同時に操れる個体数は最大で6体くらいだろう。
丁度持っている銃の装填数がその数で、同調する為に相手を傷つけ隙をつかなければ難しい。
あの時は巨人との距離が遠く白兵戦に持ち込むことが出来なかったので、
銃を使わなければリヴァイ班の何人かは確実に死んでいたはずだ。


「だそうだよ、ハンジ。
解体しても良いが明日までには直しておいてくれ」

「やった!ちょっくら調べてくる!」


嬉々として立ち去ったハンジを見送っていると、
溜息を吐いたエルヴィンから同行を求められた。



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