第1章 ファーストキス
「あ、おけ。
じゃあ行こっかちゃん?」
「…ぁ、はい……」
あたしは緊張が解けないまま、二宮さんについていった。
「あっ、今俺プライベートだから、シーね?」
と、二宮さんは人差し指を自分の唇に当ててそう言った。
「そんな!言いませんよ!!」
あたしが小声でそう否定すると、二宮さんはふふっと笑った。
「そうだよね。ちゃんはそんなことする子じゃないもんね?」
世界中を敵にまわすようなことをする勇気なんてあたしにはないし、そんな勇気あっても絶対そんなことしない。
「あれー?なんで、お前がいるの?」
二宮さんのその一言で、あたしは本日2度目の失神をしかけた。
「俺、なんか呼ばれてん!」
「えでも、俺ら高校の同級なんだけど、違うよね?」
「ちゃうよ!ちゃうけど、なんか呼ばれてん!」
……なんというコラボ。
そこにいたのは、またもや国民的アイドル関ジャニ∞の丸山隆平さんだったのだ。
「二宮さんこそ隣の子、彼女?」
「そうであったら、非常に嬉しいんですけどね笑
林の妹だってさ。」
な?とあたしに話を振る二宮さん。
「……ぁ、林です」
どうしようか迷ったけどとりあえず自己紹介した。
「ちゃんってゆうんやー。歳は?」
「ぉんまえ、女性にそれはさすがに失礼だろ」
笑いながら二宮さんは丸山さんに注意する。
……い、今、女性って言ったよね?
あたしのこと、女性として見てくれてるの?
「あ!ごめんちゃん、そういう意味じゃなくてね…」
丸山さんが必死に弁解しようとしてるけど、正直気にならなかった。
それよりも、二宮さんに女性って言われたのが嬉しかった。
「気になさらないでください
今年で、高校卒業します。」
『えぇ!!??』
「……え?」
二人の驚きように逆に驚いた。
「こんな大人びた服装してるから、てっきり同年代かと……」
あぁ…これは、勝手にお姉ちゃんが選んだやつだからかな笑
「でも、じゃあなんでここに?」
「あ、いや……その……お姉ちゃんに無理矢理…………」
あたしが濁しながら答えると二人は、あぁ~と顔を見合わせて笑った。
「アイツ、妹ちゃんにまで強引な女なんだな」
と、二宮さんが言うとタイミングが良いのか悪いのかお姉ちゃんが戻ってきた。