第1章 ファーストキス
「バッチリ!可愛いじゃない、。こりゃ
モテるわよ♪」
「ねぇお姉ちゃん、あたし行くなんて一言も……」
「大丈夫!いい人たちばかりだから」
あたしの言葉を見事に遮って、お姉ちゃんはそう言う。
いやいやいや。
「そうゆう問題じゃないと思うけど……」
半ば強引に連れ出されたあたしは、完全にお姉ちゃんのペースに巻き込まれてしまったみたいだ。
「ほら、もうすぐだから笑って笑って」
お姉ちゃんに指摘されながらしばらく歩くと、お洒落なお店に着いた。
「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか?」
「あ、いえ。団体で予約してる者です。」
「失礼致しました。では、こちらへ。」
ウェイトレスさんは、あたしたちをその席へ案内する。
「ではごゆっくりどうぞ。」
ウェイトレスさんは、営業スマイルを残し仕事に戻った。
「ごめんね、みんな!」
「おー来た来た。あっ、後ろの子は例の妹ちゃん?」
あたしは、ここで衝撃の光景を目にした。
一旦お姉ちゃんを引っ張ってこの個室から出た。
「あ、あたし、聞いてない!」
「??何が?」
「ちょっとさぁ、人の顔見て逃げるのとかあまりにひどすぎやしないですか?笑」
そう言ってあたしとお姉ちゃんの会話に割って入ってきたのは、紛れもなくあの、国民的アイドル嵐の二宮和也さんだったのだ。
「あ、ニノ。ごめんねー。
これさ、あたしの妹ー。可愛がってあげてよ」
ちょ……!!!!何紹介してるのよ!
二宮さんは、ふふふと笑ってあたしを見た。
「んー、さっき俺のこと知ってるっぽい反応してくれたけど、一応……。嵐の二宮和也です。改めてよろしくね、ちゃん?」
「……は……ぁ、あの、初めまして……」
しどろもどろに挨拶するあたしを、二人は笑った。
「、緊張し過ぎ笑」
いやいやいや!!
そりゃ緊張するに決まってるでしょうが!
国民的アイドルが目の前にいるんだから!
しかも、あたし二宮さんがお姉ちゃんの同級だなんて今まで知らなかったし!
二宮さんは、まだ笑いが止まらないみたいで恥ずかしがるあたしを見てまた笑い出す。
……そ、そんなに笑わなくたっていいのに……。
あたしは思わず俯いた。
そのとき。
「ちょっと電話に出てくるから、、先戻っといて?」