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〜Mint Candy Story〜

第35章 -冬シチュ三部作③-(青峰/宮地/木吉)


-青峰大輝×彼女-



「すっごくキレイだったね!」


「まぁな。つぅか、さみぃ!」


「もう‼︎ちゃんと見てたー?」


クリスマス当日…
あの大輝が…って言うと、
大輝に怒られちゃいそうだけど、
クリスマスの1番混む日に
わたしの見たかったイルミネーションを
一緒に見に行ってくれた。


それだけでも十分嬉しかったけど、
地元の駅に戻ってきて、
クリスマスムードもなくなると、
大輝はすっかりいつも通り。

でも、もうちょっと
甘ーい感じでいてくれてもいいのにな。


「あん?見てたじゃねーか!
つぅか、さみぃっつってんだろ。」


…っ⁈


横暴な大輝は、
わたしのことばは無視して、
急にギュッと手を握ってきた。


「今日はあったかいのな。」


「…っ⁈今日はって…?」


…?手のこと?


わたしの手を何度も何度も
握り締める大輝…。


「公園の時は…冷たかったから。」


「…⁉︎あ…あの時は…。」


大輝…まだ気にしてるのかな。


「大輝が一緒にいてくれるからだよ?」


「…⁈」


「大輝が一緒だと、
わたしはいつも
あったかい気持ちでいられるの。
だから、手もあったかいんだよ。」


そう言って、
わたしも大輝の手をギュッとした。


「…っ⁉︎」


「大輝?どうしたの?」


顔をあげて大輝を見ると、
大輝がなんとも言えない顔をして、
目を見開いていたけど、
その顔を見れたのは一瞬で、
すぐに大輝に顔を押さえつけられてしまう。


「きゃっ‼︎もぉ!痛いってばー!」


「(…こんな顔見られてたまるか!…‼︎)
おい‼︎こっちから帰るぞ!」


人の顔を押さえつけてたと思ったら、
大輝は急にいつもと違う道を行く。


いつもというか、正確には、
わたしの風邪が治ってから、
大輝は本屋さんの手前の道で、
いつもと違う道を選ぶようになった。


距離はそこまで変わらないけど、
微妙に遠回りになる道。


「大輝…最近こっちの道通るよね。」


「…っ⁈そうか?たまたまだろ?」


大輝は少し早歩きになり、
ぶっきらぼうにこたえる。


大輝は、やっぱり、
本屋さんの前を通らなくなった理由を
言ってくれなかった。


でも…


聞いちゃってごめんね、大輝…
ほんとは全部知ってるの。




とってもとっても嬉しかったよ。



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