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〜Mint Candy Story〜

第34章 -冬シチュ三部作②-(青峰/宮地/木吉)


「待てって、すみれ!
オレが悪かったから。」


すみれを小走りで追いかけると、
あっという間にすみれの横に辿り着く。


こういう時、
デカくてよかった…と心底思う。


「鉄平くんには、わたしより
大事な考えごとがあるんでしょー?
どうぞごゆっくり
考えごとしてくださーい!」


「そんなことないって…」


はは…これは相当なご立腹だな。


ま、”大事なこと”を考えていたのは、
事実だけどな。


すみれは早歩きをやめない。
まぁ、追いついてしまえば、
すみれの早歩きなど、
オレの数歩で、
簡単に追いつけてしまうのだけど。


「すみれー?そんな早歩きしてると、
転んじゃうぞ?」


「…っ⁈転ばないもん!
また子ども扱いしてー!!」


はぁ…今日はとことんダメだな。
何を言ってもすみれを怒らせちまう。


…‼︎


「きゃ…‼︎」


すみれが急に何かにつまずいて、
転びそうになったが、
すんでのところで
すみれを後ろから支えた。


「ほらな?危ないだろ?」


「あ…ありがと。」


「大丈夫か?痛いトコないか?」


「だ…大丈夫‼︎もう‼︎
また子ども扱いしてー。」


「子ども扱い?」


すみれのどこが子どもなのだろうか?
かわいい妹のような存在ではあったが、
今だって…もっと抱き締めたいのを、
必死でガマンしている。


「いっつも…
小さいコに言うみたいだもん。」


「あはは…それはすみれが
かわいいからだな。」


「はぁ…。もう!鉄平くん!
だから、わたしは犬や猫じゃないって、
こないだ言ったでしょ?」


すみれはオレの腕から
スッと離れてしまう。


犬や猫…⁇


そういえばそんなこと言ってたな。


「あぁ。
もちろん、そんなのわかってるぞ?」


「……。」


「さっきは悪かったな。
何を話してたんだ?」


すみれが黙ってしまったので、
オレはもう一度聞いてみる。


「あのね…駅前、今年から、
イルミネーションしてるんだって。」


…‼︎


「じゃ、このまま駅前通って見ていくか?」


「…‼︎うんっ‼︎」


やっとすみれの笑顔が見れた。


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