• テキストサイズ

〜Mint Candy Story〜

第34章 -冬シチュ三部作②-(青峰/宮地/木吉)


「自分ばっかりずるーい!
そんな意地悪するなら、
もう本音も言わないんだからー。」


「は⁈言えよ‼︎つぅか、
そんなスネることないだろー?」


オレはスネたすみれが
手をはなしてしまうのではないかと、
一瞬焦り、さらに強く、
すみれの手を握り直した。


「…っ⁈スネてないってば…。
やっぱりわたしばっかりー」


…っ⁈


か…かわいい。


すみれが本気で
怒っているのではないことは
明らかだった。


すみれは真っ赤になって、
照れていたから。


この間は、鼻が真っ赤で
トナカイのようだと笑ったが、
今日は顔全部が真っ赤で、
真っ赤なリンゴのようだった。


夜なのに、なんですみれが
真っ赤だとわかったかというと、
暗い夜道を
真っ赤な鼻のトナカイが
照らしてくれているから…


「うわぁ‼︎キレイ‼︎清志‼︎見て‼︎
見えてきた‼︎」


なんて、柄にもないメルヘンなことを
思ってしまったのは、
このイルミネーションのせいかもしれない。


人混みの中ゆっくり歩き続け、
やっと見えたのは、
大きな公園に広がる花畑の中の
イルミネーションだった。


「キレイだね!」


「あぁ。」


イルミネーションもすごいが、
オレはつい、
さっきまでスネていたすみれが
子どものように喜ぶ姿を見てしまう。


「こんなステキな所に
連れてきてくれてありがとう。」


…っ⁈


突然のすみれのことばに、
やっぱりドキッとしてしまう。


「…すみれだけじゃないかんな?」


「え…?」


「オレだって…すみれのことばで
一喜一憂してるし、緊張だってしてるし…
つぅか、オレが入った時から、
余裕あったのは、すみれだろ?」


「清志…」


「ん?」


…っ⁈


突然すみれに
グイッと腕を引っ張られ…



「大好きだよっ‼︎」



すみれはオレの耳元で、
そっと囁いた。


……っ⁈⁈


すみれは何事もなかったかのように…
でも、少しだけ頬を染めて、
またイルミネーションを眺めている。



…ったく…どこがだよ⁈





やっぱりオレのほうが、
ドキドキさせられっぱなしだ…。





---End---


/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp