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〜Mint Candy Story〜

第33章 -冬シチュ三部作①-(青峰/宮地/木吉)


「可愛くないーっ!
真っ赤なお鼻のトナカイは、
皆の笑いモノなんだよー?」


クスクス笑ってばかりいる
鉄平くんのほっぺをつねりたくて、
わたしは鉄平くんの前の
ベンチに乗った。


「ん?どうした?」


ベンチに立つわたしを、
鉄平くんは
子どものように支えてくれる。



…むに〜っ‼︎



「いてっ…すみれ、痛いってば…
こら…って…。」


わたしはむーっとスネながら、
両手で鉄平くんのほっぺをつねった。


「トナカイじゃないーーっ!
それに、トナカイ可愛くないもん!」


「わ…わかった…わかったから!
すまん、すみれ!
すみれはトナカイじゃないって。」


「むぅぅ…。わかればよろしい。」


しょうがないから、
鉄平くんのほっぺから
手をはなして、
わたしはふと星空を見上げた。


「うわぁ…星、見えるね。」


「あぁ。そうだな。」


わたしの目の前で、
星空を見上げてる鉄平くん。


わたしがベンチに立っても、
まだ鉄平くんのほうが大きかった。


「鉄平くんはズルいなぁ。」


「ん?なにがだ?」


鉄平くんは星空からわたしに
視線をおろした。


「普通に立ってるだけで、
わたしより星空に近いんだもん。」


「ははっ。たしかにそうだなぁ。
すみれは面白いこと言うなぁ。」


面白いことが言いたくて、
言ったわけじゃないんだけどなぁ。


「あ…そういえばだな。」


「ん?なぁに?」


わたしは鉄平くんの腕に掴まり、
鉄平くんの顔を見つめた。


「トナカイは、
可愛くなくてもいいけどな、
すみれは可愛いぞ。」


…っ⁈


そう言った鉄平くんは、
わたしの頭をポンポンとして、
わたしの顔を覗き込んできた。


「えっ⁈あ…鉄平…くん⁈」


鉄平くんにそんなこと言われたら、
嬉しくて舞い上がっちゃうよ…。


「ん?どうした?
そろそろ降りるか?」


…っ⁉︎





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