第33章 -冬シチュ三部作①-(青峰/宮地/木吉)
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((3日前…昼休み))
「さつきー!英文法もう限界‼︎
わかんないよー。」
「えぇ⁇うーん?ウチのクラスも、
まだそこまでいってないからなー。」
「そんなのいーじゃねーかよ。
つぅか、食わねぇなら、
弁当、残り食うぞ?」
学食のテーブルで、
早々にお昼ご飯を切り上げたわたしは、
英文法の課題を広げ、悪戦苦闘していた。
隣ではお気楽な大輝が
わたしのお弁当を勝手に食べ、
向かいではさつきが困り果てている。
「すみれ、ほんと英文法苦手だよね。
リスニングとかヒアリングは得意なのに。」
「文法なんかわかんなくても、
適当に話せば心で通じるもん〜。」
今日の課題は、提出しなければ、
1週間、放課後に補習だと、
先生がやる気を出していた。
放課後に補習なんて絶対ムリ‼︎
でも、全然わからない…。
「お!珍しいな。
せっかくの昼休みに勉強か?」
顔をあげると、諏佐さんがいた。
大輝はチラリと諏佐さんを一瞥すると、
またお弁当を食べ始めた。
「「お疲れさまです!」」
さつきと2人で挨拶する。
「あ!諏佐さんて、
英文法得意でしたよね?」
思い出したようにさつきが言う。
さすが、さつき!
部員の得意教科まで把握している。
「ん?まぁ…それなりになぁ。」
…っ‼︎
「諏佐さんっ‼︎コレ…!
コレ!教えてくださいっ!」
「ん?どれだ?」
諏佐さんは少し問題を見ただけで、
わたしがまったくわからなかった問題を
スラスラ解いて、わかりやすく丁寧に
わたしに教えてくれた。
「すごーーい‼︎わかりました‼︎」
「わたしもまだココやってないのに、
わかりましたー!」
わたしとさつきは、2人で感激して、
尊敬の眼差しで諏佐さんを見ていた。
「檜原もこれで補習免れられるな。」
「はいっ!ありがとうございます!
諏佐さん、先生よりわかりやすいです!」
「よし!すみれ、オレにも見せろ!」
補習の心配がなくなって嬉しくて、
興奮して諏佐さんと話していると、
わたしのお弁当を食べていた大輝が、
平然と言ってのける。
「大ちゃ〜ん⁈もう‼︎図々しいなぁ。」
「大輝、たまには自分でやりなよー」
はぁ…まったく…。