第6章 初めて歩く二人の距離
その後は、悠が私の行きたいところに行きたいと言っていたので、以前話していたハワイアンパンケーキ屋に行き、お茶をしていた。
ずっと食べたいと思っていた看板メニューのパンケーキはフルーツもクリームも大量に乗っていて、それを見た私は目を輝かせ、向い合わせで座っていた悠は困ったような笑顔を見せた。
「すごいっ!美味しそうっ!可愛いっ!」
あからさまにテンションの上がる私を見ていた悠がクスクスと笑った。
悠「………俺からしたら、パンケーキひとつにそんなに目キラキラさせてる花音の方がよっぽど可愛いけどね。」
さらりと口から出た殺し文句に一瞬で赤に染まる私の顔。
心臓は突然の不意打ちにバクバクと音を立てた。
悠「………プッ………顔真っ赤。………可愛いなぁ、もう。」
スッと伸びてきた手が頬を撫で、持ち主のもとへと戻っていく。
「~~~~~/////!!!!」
(ちょ、悠~~~~///!?格好良すぎだからっ!!免疫ない私にはハイレベル過ぎるよっ///!!心臓壊れそうっっ)
激しく動揺している私を尚も可愛い、と言いながら見つめてくる悠。
すごい人と付き合ってしまったと、今日一日で何度思ったことか……
色々な部分においてこの悠という男はずば抜けていた。
動揺したままなかなか食べずにいた私の目の前に一口サイズに切られ、程よくクリームとフルーツの乗せられたパンケーキが現れた。
突然のことに呆気に取られていると、あーん、という声がした。
その声の主を見ると口を開けて私にパンケーキを向けていた。
悠「ほらほら、美味しいうちに………はい、あーんっ」
促されるまま素直に口を開き、パンケーキを口に含むと瞬時に口内に広がる甘みと程よいフルーツの酸味。
「ん~~~美味しい♡」
満面の笑みで彼を見ると、悠は嬉しそうに笑っていた。
悠「よかったな。俺はお前のその顔見れただけで大満足です。」
「………////ごめん、悠………心臓もたないよ……///」
悠「えっ………あ、………その、ごめん///」