第31章 プールサイド〈花巻貴大〉
帰ってから数分たった頃。
黙って帰った罪悪感や
今頃楽しくやってるだろうバレー部のみんなへの羨ましい気持ちとかいろいろ抱えながら歩いていた。
歩道橋の階段を
登ったとしたときだった。
クラッと目眩がして
私は手すりに捕まりながら倒れこむ。
(ヤバ……貧血……!?)
昔から貧血気味だったし、
最近ゴハン抜いていたから…
いつもよりひどい貧血のせいで
目を開けてられなかった。
貴「…!朱鳥…!!朱鳥!!」
その声に声にゆっくり目を開けて上を向くと心配そうに私を支えている貴大がいた。
「貴……大……?」
貴「はぁ……よかった。大丈夫か?」
「あ……え……っと…。」
答えようとしたら
ぎゅるるる〜〜〜〜〜。
「……う………。お腹空いた…。」
貴「……。…お前な…。」
私のお腹がなってしまった。
貴「……ほら。」
貴大は近くのコンビニからすぐ戻ってくるとビニール袋を渡した。
中にはサンドイッチとカフェラテが入っていた。
「……ありがとう。」
ビニール袋を渡すと貴大は私の隣に座った。
貴「…お前…何で勝手に帰ったんだよ…?」
「……う…それは…言いたくない。…っていうかなんで私が帰ったってわかったの?誰にも言わなかったのに。」
貴「…屋外のプールにいたら…お前が帰ってくるの見えたんだよ。」
「…そう…だったんだ……。」
私は貴大が買ってくれた
サンドイッチのを食べ初めた。
貴「…つーかお前最近変じゃね!?メシ食わねーし、なんか元気もないみたいだし。
なんかあったか?」
「…それも言いたくない。」
貴「……あっそ……。」
しばらくして私が食べるのを見計らうと
貴「じゃあさ…今からちょっと付き合ってくね!?」
そう言うと貴大は歩き出した。
「えっ…ちょっと…?!!」
私は貴大の後を慌てて追いかけた。