第4章 再会と離別を同時に
「……」
落下したブレインは油断したと顔を歪ませる。
ジェラールの拘束具を外したのがミスだったと。
しかしブレインは不思議でならなかった。
以前のジェラールは自分にここまで敵対心は持って無かったハズだと。
一応魔法を教え、教わった者同士なのだから。
…確かにアギトに関してなら、と頭を過ぎったのは内緒だが。
「…! まさかニルヴァーナを独占する気か!?
させぬ! アレは我々のもの!!
誰にも渡すものか!!」
ブレインは怒りを露にしながら空に向かって叫んだ。
「コブラ! 聞こえるかっ!
ジェラールがアギトを連れて逃げた! 奴を追え!
奴の行く先にニルヴァーナがある!!」
「OK、聴こえたよ ついでにジェラールの足音もな」
*
一方洞窟を抜けたジェラールは六魔将軍の配下の男と接触した。
しかし返り討ちにし、上着を自分に羽織った。
目覚める気配が無いアギトの肩を再び担ぎ、森を歩いていく。
「…アギト
エルザ…」