第4章 再会と離別を同時に
「……」
あれから四分が経過し、決断のときまで残り少なくなってきたそのとき、
「ハッピー! ウェンディー!」
洞穴の外からよく知る声が聞こえてきた。
「あ、ナツだ!」
「…レーサー、近付けさせるな」
「OK」
ブレインの命令に短く答え、一瞬で姿を消すレーサー。
「……」
「…時間だぞ」
遂に約束の時間になってしまった。
未だに決断できていないウェンディの頬を、冷や汗が静かに伝う。
「ダメだよウェンディ…!」
「チッ」
「うわぁ!?」
ジェラールを復活させることを反対し続けていたハッピーを、ブレインが怒りに顔を歪めながら攻撃する。
攻撃を受けたハッピーは呆気なく吹っ飛び、壁に激突してしまう。
「失われた魔法、治癒魔法…今使わずしていつ使う?」
「……」
「やれ!」
「っ、」
ビクッと肩を震わせるウェンディ。
その瞳は死んだように眠り続けているジェラールとアギトを交互に見ていた。
「(…アギトさん…ジェラール…)」