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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


むしろ、逃がさないとばかりに背中を抱き寄せられた。

「勝己くん、顔が近いんだけれど」

「知ってる」

「……そういう問題ではないのだけれど」

「うるせぇ」

「うるせぇって……」

呆れたように息を吐く。


彼女は爆豪の頭を見下ろした。
普段はあれほど鋭い目つきをしているくせに、今は妙に遠慮がない。
一体、何を考えているのだろう。
いや、考えていることは分かる。

分かるからこそ、困るのだ。


「……私の秘密を知っているからって、ちょっと強引じゃないかしら?」


自分の胸に顔を埋めたままの爆豪へ、静かに問いかける。
すると、彼は少しも悪びれることなく答えた。


「使えるもんは使うだけだ」


「…………」



おもちは、しばらく黙り込んだ。


それから、ゆっくりと天を仰ぐ。

「……とんでもない男に目をつけられてしまったかもしれないわね」

「今さら気づいたのかよ」

「ええ。少し判断が遅れたみたい」

「フン」

爆豪はようやく顔を上げた。
間近で視線がぶつかる。

夕日に照らされた赤い瞳は、いつもよりずっと熱を帯びていた。


「俺は諦める気ねぇからな」


その声には、冗談めいた響きがなかった。
おもちの笑みが、ほんのわずかに揺れる。

「……何を?」

分かっていながら、あえて尋ねた。
爆豪は彼女の目を真っすぐに見つめたまま、答える。


「おもちを」

短い言葉だった。


けれど、そこには一切の迷いがなかった。


「どんな仕事してようが、何を隠してようが、俺はもう知っちまった。テメェがどんな人間なのか、もっと知りたいと思ってる」

彼の手が、彼女の背中をそっと撫でた。


「だから、勝手に一人で抱え込んで、勝手にいなくなろうとすんじゃねぇ」


その言葉に、おもちは息を止めた。



以前にも言われた言葉だった。
何でも一人でやるな。
何も言わずに消えるな。
そのときは、ただのクラスメイトとしての心配だと思っていた。

けれど、今は違う。
爆豪は、彼女の秘密を知ったうえで、それでもそばにいたいと言っている。
任務中の彼女も。
強くあろうとする彼女も。
誰にも見せずに疲れを隠す彼女も。
そのすべてを知りたいと。
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