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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


「勝己くん。どうしてここが分かったの?」

「テメェがこういうとき、どこに行くかくらい分かる」

「まあ。私って、そんなに分かりやすいかしら?」

「そういう意味じゃねぇ」

爆豪は不機嫌そうに言い返しながら、彼女のもとへ歩いてきた。


そして、彼女の指先にある煙草を見て、わずかに眉を寄せる。

「また吸ってんのか」

「ええ。一本だけよ」

「……チッ」

小さく舌打ちしたものの、取り上げようとはしなかった。


おもちも隠すつもりはないらしい。何事もなかったかのように煙を吐き出し、夕暮れの景色へと視線を戻した。


その横顔を、爆豪は黙って見つめていた。
綺麗だとか、可愛いだとか。
そんな簡単な言葉では、到底表現しきれない。


ステージの上で歌っていた彼女。

エリに向けて笑っていた彼女。

クラスメイトたちに囲まれ、照れくさそうに頬を緩めていた彼女。


そして今、誰にも見せるつもりのない顔で煙草を吸っている彼女。
そのどれもが、爆豪の目には違って映った。

知れば知るほど、目が離せなくなる。

自分が何を考え、どんな気持ちで彼女を見ているのか。


それを自覚してしまった以上、もう以前のようには戻れない。
諦めが悪い。
執念深い。
一度欲しいと思ったものを、簡単に手放すような男ではない。

それが爆豪勝己という男だった。




文化祭前、廊下で彼女を壁際に追い詰めたときのことが脳裏をよぎる。




――俺のこと、男として見ろや。
あのときは勢いもあった。

けれど、今は違う。

彼女を好きだという気持ちを、もう誤魔化すつもりはなかった。



おもちが煙草を口元に運ぶ。
その仕草を見ているだけで、どうしようもなく触れたくなる。


「……なあ」


「ん?」


「今日、楽しかったか」


唐突な問いかけに、おもちは少しだけ目を丸くした。
それから、俯きながら、ふっと笑う。


「ええ。とっても」


「……そうかよ」


「勝己くんは?」

「楽しかったに決まってんだろ」

「ふふっ。そうね」

彼女が笑う。
その笑顔を見た瞬間、爆豪は自分の中で何かが決定的に変わってしまったことを悟った。


もう、見ているだけでは足りない。
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