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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第15章 死穢八齋會


次の瞬間には、そこにいたはずの人影は、跡形もなく消え去っていた。


「…………は?」


トゥワイスの声が、掠れた。

トガの笑みが消える。

スピナーは目を見開き、ミスターコンプレスも、言葉を失ったまま立ち尽くしていた。


一瞬の静寂。
そして。


「――てめぇええええッ!!」


死柄木の怒号が、倉庫全体を震わせた。

彼の顔から、余裕が完全に消えていた。

「殺してやる!!」

死柄木が治崎へ飛びかかる。
側近たちが反応するよりも早く、彼女の身体が動いていた。


床を蹴る。


黒いハイヒールの踵が、コンクリートを鋭く打った。
彼女は死柄木の進路へ滑り込み、その手が治崎へ届く寸前、死柄木の腕を避けながら身体の軸を崩した。


相手の力を正面から受け止める必要はない。
勢いを利用し、重心をずらす。


死柄木の身体が床へ叩きつけられた。

「ぐっ……!」

彼女は間髪入れず、死柄木の上へと乗り、その両腕を自分の両足で押さえ込んだ。


ただし、手の位置には細心の注意を払っている。


死柄木の指先が自分に触れれば、何が起こるか分からない。

彼女は片手で拳銃を抜き、死柄木の額へ銃口を突きつけた。

もう片方の手にも、いつの間にか拳銃が握られている。
その銃口は、こちらへ駆け寄ろうとしていたスピナーを正確に捉えていた。


「動くな」


低く、冷たい声。
誰もが息を呑んだ。


「一歩でも動けば、撃つわ」


彼女の目には、怒りも、恐怖もなかった。
あるのは、ただ冷徹な判断だけ。


死柄木は彼女を睨みつけ、押さえられた腕を動かそうとした。

「てめぇ……! 誰だ……!」

「質問する立場かしら?」

彼女は銃口をわずかに押し当てた。

「その手を動かさないことね。警告を何度も繰り返すほど親切じゃないの」

「……っ!」

死柄木の目が、ぎらりと光る。

「ぶっ殺す……!」

「ええ。そういう物騒な台詞は、拘束を解いてからにしてちょうだい」

彼女は一切、視線を逸らさなかった。


その姿は、まるで獲物を押さえ込んだ猛獣のようだった。
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