第1章 跡部様とか呼ばれる人
(それにしても・・・)
「どうして跡部様は急に私と帰りたいだなんて言ったんですか?」
「気になったからだ。」
「気になった?」
跡部様にごめんなさいをした後、私たちは家の前で立ち話をした。
私はちょっと気になったことを跡部様に聞いてみた。
するとそんな言葉が返ってきた。
(・・・気になった・・・?)
「私のどこが気になったんですか?」
「お前はいつも一人で頑張っているからだ。」
「は、はぁ・・・そりゃ一人で出来ちゃうからですけど。」
「それがおかしいと思ったんだ。今回の俺様の試合の時だって一人で作業していただろ。」
「見てたんですか!?」
「俺様を何だと思っている。」
「跡部様。」
「・・・もっと人を頼れ。あと、その敬語と跡部様ってのをやめろ。」
「頼り方がわかんないんです・・・じゃなくて、わからないの。跡部さ・・・じゃなくて、跡部君。」
「そんなもの俺様が教えてやる。」
「え・・・」
そうだ。跡部君は学校中の生徒の名前を覚える努力家だったんだ。
いつも周りを見て人を助けるリーダーだったんだ。
(でも、試合に集中しないのはいかがなものか。)
・・・だけどそんな空気読めないことは言わないでおこう。
「私を、助けてくれるの?」
「だから、そう言っている。」
「ありがとう。」
おしまい。