第1章 跡部様とか呼ばれる人
(今日もテニスコートはうるさいなぁ。)
私は跡部様ファンたちの横で運動会の下準備の石拾いをしていた。
氷帝学園のある競技は裸足でやるため、学級委員の私は校庭の石拾いをしていた。
(裸足で走り回るなんてお金持ちの氷帝学園とは思えない・・・)
『キャー!跡部様ー!!!』
『ちょっと!あんた邪魔・・・あ、生徒会の。』
「あはは・・・邪魔してごめんなさい?にしても跡部様は今日もすごいですね。」
『みずかさんも応援しないの?』
「私はいいです。それよりも石拾いを・・・」
『生徒会の仕事大変だね。』
「まぁ・・・楽ではないかも。でも他にやることもないからねぇ。」
『前から思ってたけど、みずかさんは跡部様に興味がないの?なんかみんなと違う。』
(え・・・?)
私は跡部様を応援していた女生徒にそう問われ、石拾いをしていた手を止めた。
跡部様に興味がない・・・?
そんなわけないわ!!!
興味大有りよ!
容姿端麗成績優秀おまけに性格もいいカリスマ性もあり実家が太くてファンも多い学園のリーダー!
そんな素敵な人私が興味ないわけないじゃない!
「興味?あるよ!ただ、今は石拾いを・・・」
「そう・・・?」
私は石拾いを再開して女生徒の話に付き合っていた。
生徒会の仕事が大変だから応援しない?
んなわけないわ!!!
(私だって応援したい!ただ・・・)
あの中に入って応援できる勇気がないのよ!
それに跡部様はみんなの憧れの存在。あんなのに色目なんか使ってみて?
ファンたちの反撃やばいから。
「跡部様はかっこいいと思うよ。でも私はそういうの遠慮しとく。」
(思うよ。遠慮しとく・・・じゃ、なーい!!!)
私だって・・・私だって跡部様の隣に居たいし応援団に混ざりたい!でも勇気が出ない小心者なの!
跡部様から話しかけられたら私・・・あぁ、恐ろしい。
だから私は遠くから見つめて心の中で応援するの。
なるべく跡部様の視界に入らないように・・・。