第29章 お見舞い
「いないよ。ふふっ、嘘つくはずないでしょ?
それにしても、お楽しみが盛りだくさんな夢だね。
それは零がなかなか目覚めないはずだよ。ずっと幸せな夢の中に浸かりたくなる内容。
でも、残念だけどそれはぜんぶ夢だからね?」
「あー、くそっ。との子どもめちゃくちゃ可愛かったのに。
夢と思いたくない。もう一度寝るしかないのか?
目を覚ましたとき、僕の中では、子どもが生まれた後に怪我をした気がしていた。
でも言われてみると、見ていた場面以外の出来事は思い出せない……」
「もう。こっちはすごく心配したのに、なにが『もう一度寝るしかない』よ。
その夢は……、ちゃんと現実にできるからいいじゃん」
「……あぁ、そうだな」
「さっき言ってた“リク”が子どもの名前?」
「そう。僕が付けた。“睦まじい”や“親睦”の睦。
たくさんの人が集まるとか、色々な人と親しくなれる、協調性や人との繋がりをイメージした名前。」