第22章 幸せな日々
「そうか…僕だけが……。
すまない、あのとき手放してしまって。」
「え?」
「本当に、あれから七年間ずっと、の心の中に僕の存在があったんだな。」
「ふふっ。なんか、だいぶしつこい女だね。」
「僕も同じだ…。ずっと、が心の中にいた。
自分でもなぜか分からないほどの存在を求めてしまう。」
「じゃあ、七年間ずっと隠れ両想いだね。」
「あぁ。そうだな。
……怒って本当にごめん。
がその人のことをあんなに頑なに話さないのは、幸せな思い出に踏み込まれたくないんだと思い込んでしまった。
話さなかったのは、相手に対する罪悪感を持ち続けていたからか……。」
「ははは…、3〜4年も付き合ってプロポーズまでさせたうえに、何年でも待つと言ってくれた提案も重ねて断って、挙句別れたんだから、もう話題に出すことさえ申し訳ないよ。
私も思い出すとちょっと……自己嫌悪で…。」
「の初めての相手だろ?」
「それは……訊くの?やめた方がいいよ?」
「訊かなくてもわかる。」
「そっか。じゃあ答えはいらないね。」
「本当は写真も残ってる?」
「うん…消しておかないと忘れられなくて辛いとかじゃないから、わざわざデータを探して処分したくなるような感情は湧かなかった。
知りたいこと、もう満足した?」