第19章 強盗(1)
あれ…?
この音
このエンジン音
そっか…きてくれてたんだね
ちゃんと、私が生きてるうちに!!!
ん?
でも、どうやって助けてくれるの?
今すっごいカーチェイス…っていうか、1台はスケボーだけど。
なんだろう…。
ほんのり、嫌な予感がするよ?
たぶんアレは駄目だと思う。
いくら何でも、この速度だと私も零も死んじゃうよ?
車で突っ込んで車を止めるのは無しだからね!?!?
真っ直ぐに続く橋の上で、急に車に衝撃があり、車体が左右に大きくブレた。
どうやら制御できなくなったみたい。
何か起こったの?
パンク?撒菱でもばら撒かれて踏んだ?
車は使いものにならなくなり、こんな場所で車を捨てて逃げることにしたようだった。
私のことは全然置いていってくれていいのに、わざわざお供させてくれるらしい。
体をがっちり掴まれ、頭に拳銃を突きつけられて「こい!早く!」と急かされる。
零の車が見えた。
なんてタイミングで。
こんなところを零に見せたくない。
私に拳銃が突き付けられているところを見たら、きっと零は幼なじみの拳銃自殺を思い出してしまう。
どうか零からは拳銃が見えませんように…。
駄目だった。
零が来てしまった。
「動くなぁ!!この女を殺すぞ!」
既に強盗殺人を犯し、気が昂っている。
躊躇いなく、私を撃てるだろう。
よかった…。
頭なら、きっと一瞬で終わる。
痛くないはず。
でも心配だから、“大丈夫、痛くないよ”って誰か言って!!!
ただ、零の目の前はやめてほしい。
忘れられない傷になってしまう。