第18章 最後まで
「くくっ。僕を騙すなんて、いい度胸だな?」
「ごめん、つい出来心で…」
「いいさ。になら、騙されるのも悪くない。」
「寛大な心だね。というか、そもそも相手にもならないからこその余裕って感じ。喜んで騙されにきてるよね。ふふっ。」
「僕を騙せて少し嬉しそうなが可愛い。それにしても、大人しいとなんだか新鮮に感じるよ。」
「最近はけっこう一人ではしゃいでたもんね…。」
「見てて飽きないよ。今日は何バカなこと言うつもりだろうって楽しみになる。昨日の"かかってこい"も何のヒーローアニメだよまったく。」
「あははっ。ついにバカって言っちゃったね?でもしばらくは大人しくしておくから安心して。
でも…なんか寂しいな。零と恋人関係が終わっちゃったの。」
「まさかそれでセンチメンタルになって大人しいのか?」
「それもあるかも…。付き合ってた期間が短かったから、ちょっと切ないな。」
「はははっ。が急いで入籍したのに?
まぁ、関係性は恋人から夫婦に変わったが、と僕が恋愛していることはこの先もずっと、一生変わらない。
いつか家族が増えても、僕はのことを恋人として大切にするつもりでいる。それでも寂しいか?」
最後にチラッとだけ心配そうにこっちを見て、そう聞いてくれた。
「運転中のかっこいい横顔見ながらそのセリフ聞かされるのはやばい。興奮して鼻血でるかも。」
「おい。早速ふざけてるじゃないか。しばらく大人しくするって言ったばかりだろ。」
「これはふざけてないよ。本心から出た言葉だから。」
「分かったから。それで返事は?」
「最高。ぜんぜん寂しくない。幸せすぎる。ちょっと泣きそう。私も零のこと、一生恋人として愛するよ。」
「くくっ。いつもの調子に戻ったな。」
「ははは…私のご機嫌まで取っていただいて大変なご面倒をおかけします…。」
「愛する妻の機嫌くらい、いくらでも。」
「ちょっ…!糖質過多っ!!!」
零……
私はあなたと、こうして笑っていたい。
何十年後もずっと、あなたの笑顔を見ていたい。
どうか、もう、一人で苦しまないで……
ここに私がいる。いつもいるから。
あなたとの約束を、最後まで守り抜くから。
【最後まで】
fin.