第17章 愛しつづけるよ ※
「あぁ。その封筒だ。
中は見るな。赤井には無関係のものだからな。
なんだ、もう見たのか。
はっ、なら仕方ない。
悪いが明日取りにいく。場所は…──」
封筒はやっぱり車の中にあったみたい。
電話を終えた零に声をかけた。
「零…、個人情報だだ漏れでごめんね。」
「悪い、起こしたか。
名前も住所も、赤井なら調べたらわかる程度の情報しか書いてないから問題はないよ。」
「うん…こんな大事なものを落とすなんて…。」
「車の中でよかった。もそのくらい気が動転していたんだろ。もう気にしなくていい。」
なんか、怒るどころか機嫌よくない…?
さっきのご機嫌取りの効果?ほんと可愛いな。
「えっと…私が受け取りに行こうか?明日も休みだし。」
「駄目だ。」
なるほど。ぜったい会わせたくないってことね。
「じゃあ、お願いするね。」
「あぁ。赤井が悔しさを我慢する顔をしっかりと目に焼き付けてくるよ。」
あ、そっちか!
たぶん何一つ悔しそうじゃないと思うけど…。
*
翌日、落とした婚姻届を零が受け取ってきてくれた。
すっっごくご機嫌。
ぜったい何か言ってるなぁ…。
でもよかった。これでやっと……
やっと、と言うほどでもないか。
たった数ヶ月で入籍だからむしろ早い。
ご機嫌な零とは真逆で、私の中では責任感がずーんっと押し寄せてきていた。
零には、これからはたくさんの人に囲まれる人生をおくってもらいたい。
もう、一人にはさせたくない。
その長い長い計画をやり遂げなければという責任感が、いま、不安とともに押し寄せてきている。