第2章 『泡沫の君に永遠の青を』 五条悟
溢れ出す涙で視界を歪ませながら、はひたすら走り続けた。
辿り着いたのは、高台の上で静かに並ぶ両親の墓標の前だった。
「うぅ……うぁぁぁっ……!」
その場に崩れ落ち、冷たい土に手をついて泣き叫ぶ。
——なぜ、自分は周りを不幸にしてしまうのだろう。
大好きな両親も、唯一の友人だったあの青年も死んでしまった。
溢れる感情や力を抑えきれず、島の人々にもたくさんの傷を負わせてしまった。
せっかく優しく手を差し伸べてくれた五条や夏油にまで、迷惑をかけてしまう。
(もう……消えてしまいたい。……私が、この世界からいなくなれば……!)
胸を塗りつぶす激しい負の感情。
その絶望に呼応するように、彼女の呪力が激しく暴走を始めた。
大地が揺れ、空が一瞬で漆黒の暗雲に覆われる。
海は激しく狂い立ち、島全体に猛烈な暴風と雷雨が吹き荒れた。
「やだっ!……止まって……っ! 止まってよ……!」
己の制御を完全に離れ無差別に周囲を破壊し始める力に、自身も怯えて頭を抱え込む。
荒れ狂う風は刃となって周囲の樹木を薙ぎ払い、太い蔓が狂乱したようにのたうった。
「おい!! !!」
暴風を切り裂いて響いたのは、聞き覚えのある力強い声だった。
ハッと顔を上げると、嵐の渦の中を五条がまっすぐにこちらへ向かって走ってくる姿が見えた。
「ご……五条さん……!? ダメ!来ないで!!」
は顔を蒼白にして叫んだ。
「お願いだから来ないで!! 私、自分でもこの力を止められないの! あなたまで傷つけちゃう……っ!」
暴風の刃と鋭い蔓が彼女を守ろうとするように一斉に五条へ襲いかかる。
しかし——五条は足を止めなかった。