第12章 全て元通り
上半身までぴったりと密着し、椿はせめて顔だけでも離そうと首を逸らした。
しかし、すぐに悟の手が後頭部を覆い、椿の顔を自分の肩口に押し付けた。
「…早く車出して」
「…どこに?」
戸惑いながら聞き返す昴に、悟は大きくため息を吐いた。
「空気読めって…」
そう言うと、悟は椿の髪に指を絡ませ、その顔を仰向かせた。
露わになった首元に唇を押し付けると、舌を使いながら薄い皮膚を吸いあげた。
「や、やめて…っ」
背中に昴の視線を感じて、椿は逃れるように悟から離れようとした。
しかし、彼の逞しい腕がそれを許さない。
エンジンの音が聞こえて、車が走り出した頃、悟の唇はもう一度椿の唇を奪っていた。
水気を含んで絡まる舌に、椿の顔が紅潮していく。
唇は閉じることもなくて、執拗な舌の動きに、悟を掴んでいる手の力が抜けた。
柔らかくなった椿の体を、悟の大きな手が這っていく。
彼の手が背中から腰の下へと移動して、椿のスカートの裾を掬い上げた。