【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第4章 【番外編】恋人のお弁当は、愛が硬い
そして。
小さく、柔らかく笑う。
「……ふふ。そうね」
「だろ!?」
「じゃあ、今度は一緒に作りましょう」
「もちろんさ!」
ラビは満面の笑顔で頷いた。
その横で、アレンが静かに呟く。
「自分で次の危機へ踏み込みましたね」
「言うな。分かってるけど言うな」
「惚れた弱みってやつか」
神田が呆れたように吐き捨てる。
「うるせぇ。が笑ってくれるなら、多少の危険は必要経費さ」
「歯を失っても同じこと言えんのか」
「急に現実的な脅し方すんなよ!」
そのやり取りに、が小さく笑う。
ラビは、その笑顔を見て、やっぱり次も頑張ろうと思った。
胃と歯の安全については、後で考えることにした。
その日以降。
先日の香草スープ事件によって生まれた、
“を一人で厨房へ入れるな”
という教団内の暗黙の了解に、新たな一項が追加された。
“ただし、ラビは止めても食べる”。
誰が決めた訳でもない。
けれど、その認識だけは、妙な速さで教団中へ広まっていった。