【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第2章 【番外編】恋人の手料理は、森の味
昼下がりの食堂は、珍しく穏やかな空気に包まれていた。
任務の合間に訪れた、束の間の休息。
長いテーブルには、団員たちの笑い声と、食器の触れ合う音が柔らかく響いている。
はリナリーの隣で、湯気の立つ紅茶へ口をつけていた。
その向かい側では、ラビが頬杖をつきながら、じっとこちらを見ている。
何となく視線を感じて顔を上げると、翠の瞳と目が合った。
「……何?」
「いや。今日もは綺麗だなーと思って」
あまりにも自然に返されて、は僅かに眉を寄せた。
「食事中に、何を言ってるの」
「恋人褒めるのに、食事中も何もないだろ?」
「そういう問題じゃ……」
言い返そうとして、言葉に詰まる。
隣でリナリーが、堪えきれないように小さく笑った。
「本当に仲良しね、二人とも」
「リナリーまで……」
頬が少し熱くなる。
それを見たラビが、ますます楽しそうに片目を細めた。
「ほら、照れた」
「……ラビ」
「怒んなって。可愛いと思ったのは本当さ」
いつもなら軽く受け流せるはずなのに。
恋人という関係になってから、ラビのこういう言葉は、以前よりずっと真っ直ぐ胸へ届いてしまう。
が返事に困って紅茶へ視線を落とした、その時だった。