【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第1章 【アレン番外編】それでも、君が笑うなら
アレンは静かに息を吐く。
胸の痛みは、まだ消えない。
きっと、しばらくは疼き続ける。
それでも。
「……を、ちゃんと大事にしてください」
それが、アレン・ウォーカーとしての精一杯だった。
ラビは少しだけ目を見開く。
それから、誤魔化しのない顔で小さく頷いた。
「……あぁ。絶対に」
窓の外では、雪がまだ静かに降り続いていた。
白く、音もなく。
胸の奥に残る痛みまで、覆い隠してくれることはない。
アレンは、冷え切った紅茶をようやく一口だけ啜った。
苦味が、静かに喉を落ちていった。