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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第24章 【第二十三話】恋人になった朝、揺れる剣



「……神田?」

呼び掛けると、神田は不機嫌そうにこちらを見る。


眉間には、いつもより深い皺が寄っていた。


「続きやる気がねぇなら、俺は行く」

「え?」

「その顔で鍛錬になるかよ」

吐き捨てるように言うと、神田はそのまま鍛錬場の出口へ向かう。


「ちょっと、神田。まだ途中でしょう?」

呼び止めたけれど、彼は振り返らなかった。


ただ、扉の前で一瞬だけ足を止める。


何かを言うこともなく、そのまま扉を開ける。


重たい音を立てて扉が閉まり、静かな足音だけが遠ざかっていった。




私は呆然と、その扉を見つめる。


「……何か、怒らせたかしら」

ぽつりと呟く。

隣で、ラビが小さく笑った。


「さぁ?」

軽い声。


ラビの翠の瞳が、神田の消えた扉を追う。

その横顔が、ほんの僅かに読めなくなった気がした。



「……ラビ?」

私が首を傾げると、ラビはすぐにこちらへ視線を戻した。


「んー? 何でもねぇさ」

そう言いながら、彼は私の頭へ載せたタオルを軽く引っ張る。

「それより、今日はもう終わりな」

「まだ少ししか動いてないわ」
「軽い鍛錬って言っただろ。倒された時点で終了」

「それは神田が強引だっただけで……」

「言い訳却下」


私は思わず頬を膨らませる。

するとラビは、そんな私を見て小さく笑った。


「怪我治ったら、オレが相手してやるよ」

「本当に?」
「ああ」

ラビの口元に、甘い笑みが浮かぶ。


「そん時は、容赦しねぇけど」
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