第10章 恋する乙女のための小夜曲
私なんかに、いわ・・・ないでよ・・・。
涙がこぼれそうになって、慌てて下を向く。
「どうしたの?。どっか痛む?」
優しい陽太の声。
ああ、ダメだ・・・今日、私、本当にダメだ。
嬉しい。陽太が来てくれて、私を見捨てないできてくれて、本当に嬉しいよ。
こんなんじゃいけないのに、陽太がいなくても大丈夫にならなきゃいけないのに。
私、今、陽太に、すごくすがりたい。
抱きしめて安心したい。
あなたの温かさを感じたい。
震える肩に陽太がそっと手を置く。私はその手に自分の手を重ね、立ち上がる。
そして、やっと陽太の顔を見る。なんだか、久しぶりに見たような気がする。
「・・・?」
私の様子がおかしいと思ったのか、陽太が少し警戒したような声を出す。
それなら・・・だったら・・・。
「ごめん、陽太・・・。まだ、発情が収まっていないみたいなの」
「え?」
驚いたように身を固くした陽太の身体に手を回し、私は素早くキスをした。
夜、誰もいない公園。
遠くで、花火が上がる音が聞こえた気がした。