第10章 恋する乙女のための小夜曲
☆☆☆
ボクは結局、自分が何に悩んでいるのかもよくわからないうちに優子とデートをする日、当日を迎えた。
10時に駅前にある銅像の下で待ち合わせだ。この像、何の像かわらないが、ボクが物心ついた時にはすでにあったものだ。天に手を伸ばすような女性の裸身像で、目立つので待ち合わせにはもってこいだ。
少し早く着いてしまったので、その像を見上げる。
銅像なので顔かたちははっきりしていないが、その体の緩やかな曲線、凛として手を伸ばす様子はなんだかを思い出させた。
5分ほど待つと、優子らしき人影が見えた。
よかった。少なくともドッキリではないらしい。
って、いうことは・・・どういうことだろう?
「あ、ごめんなさい。私、遅かった?」
優子は学校にいる時とは違い、髪の毛を下ろしている。そうすると、いつもの2倍以上、女子っぽく見えるから不思議だ。
ブルーのノースリーブに近いトップスに、オフホワイトのキャミソールワンピース、白いつば広帽という爽やかないでたちだ。メガネも普段かけているのとは違い、すこし大振りでフレームがブルーのものだった。服とコーディネートしているようで、すごく似合っていた。