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彼女はボクに発情しない

第7章 日々を飾る伴奏曲


☆☆☆
さすがに眠たい。授業中もあくびを噛み殺している。
さり気なく後ろを伺うと、陽太は盛大にあくびをしており、先生から「俺の授業はそんなに退屈か?高山!」とチクチク嫌味を言われている。

休み時間になると、陽太の周りはいつも人だかりだ。
この声は隣の席の山上くんだろうか?

「陽太、お前随分眠そうじゃんか」
「どうせ、エッチな動画でも見てたんだろ?え?」
ふふ・・・これは酒井くん。
「し、失礼な!勉強してたに決まってんだろ!!試験前だしな!」
陽太が俄然と反論する。
「いや、お前に限ってそれはないな」
「ないない。普通は『え?そんな、勉強なんかしてなかったよ』とかいって、実はしているってパターンがお約束だが」
「お前の場合は『え?全然してないよ』って言って、本当にしてない感じだよな」
「お、お前ら・・・・」
陽太の肩が震えている様子が手に取るように分かる。ごめん、聞く気はないけど、つい、聞いてしまう。そして、笑ってしまう。私は笑いをこらえるのに必死だった。

「なあ、陽太ー、お前が赤点じゃないと俺は一人で補習になるじゃんかよー。一緒に地獄に落ちようぜー」
これは、長谷川くんかしら?うう・・・陽太を悪の道に誘うのはやめて欲しい。
「おま・・・一人で淋しく受けろよ。ボクは行かないからな!」
「薄情もの〜」
「知るか!」

「あ、高山くんさ」
あれ?女の子?・・・笹本さん?
「もし、よかったら、一緒に勉強会しない?」

え?!

「あー!俺も!俺も!!!」
長谷川くんが絡んでくる。
「あんたはいいのよ、補習受けたいんでしょ!?」
これは・・・高槻さんの声?

気になる。後ろを振り向いて、確かめたい。でも・・・

「図書館とかで、試験勉強しない?」
なおも、笹本さんが陽太に言う。

心臓が、ドキドキした。なんでだろう。ふーっと意識が遠くなるような、手足の先が冷たくなるような感じがする。

「そうだよ、高山くん、いっつも赤点ギリギリじゃん。私らと勉強したら少しは良くなるかもよ?」

ヤメテ・・・。

「今日から、試験までの間・・・一緒にどうかな・・・?」

ダメ・・・ダメ・・・。
だって、陽太は私と『合宿』を・・・。
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