第6章 雨音とキスのフーガ
ボクの顔を覗き込んで、が何かを言っている。額に冷たくて心地よいの手の感触。え?なんて?何言っているの?ぼんやりとして何を言っているのかがわからないよ。
急速に意識が遠のく感じ。まるでフルマラソン走りきった後にふわふわの布団に横になったかのようだ。身体が床に沈み込んでいく、心地よい感じ。
世界がくるくる回っている。
薄く目を開けると、何かを叫びながらが涙を流している。
どうした??
なんで泣いてるの?
ああ・・・そうか・・・ごめん・・・そうだった。
今日も失敗したんだ、ボク。
キス・・・しちゃった。の大事なキス・・・ボクなんかにしちゃった・・・
「ご・・・めん・・・キスさせちゃった・・・」
ああ、良かった。謝れた。今回は言えた。
ごめん、許して・・・うまく出来なかったよ。
次は頑張るから、絶対・・・頑張るから。
ちゃんとやるから・・・。ボクを嫌いにならないで・・・。
が何かを大声で言っている。でも、聞こえない。頭が回る。世界が回る。
そのまま、意識がくるくると回りながら闇に落ちていく・・・・。