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彼女はボクに発情しない

第29章 組曲:月下の夢 ”北極星”


【Moon night dream Suite No.3 ”The Polar Star will never waver no matter what”】

ガタン、と扉の向こうでが走り去る音がした。

「行ったみたいだよ」
扉の横にいた田村さんが言う。

教室にいた皆がホッと息をついた。一番、力が抜けたのはボクだった。

「あーあ、陽太よ!この貸しはでけーぞ」
「めっちゃ嫌だったぁ!!!!ガリガリ君10本な!」

長谷川と弦次が口々に文句を言う。
皆、ゴメンな。

「こんなこと、本当に必要だったのかよ?」
ブチブチ言う酒井に、また、ボクは頭を下げた。

がららっと扉が開き、優子が帰ってきた。
「高山くん・・・。」

目にいっぱい涙をためている。事情を一番分かっているとは言え、彼女には一番、嫌な役を押し付けてしまった。
本当に、済まない。

優子にも、そして、もちろんにも、ボクは酷いことをした。
多分、ボクは、死んだら地獄行きだ。
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