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彼女はボクに発情しない

第26章 狂おしき愛の追想曲


☆☆☆
の生活習慣、食事、数日に渡る行動記録、及び血液検査の結果を総合する。

これまでの研究結果、及びの生活歴等を踏まえ、僕は一つの仮説に到達した。とても、嫌な仮説だ。

同じ症例を一つだけ知っている。
南米の24歳の女性だ。16年間PIHに苦しんでおり、ここ2年間で増悪した。原因は性ホルモンの分泌が増えたことだった。

増悪したことで性欲を押さえることができなくなり、彼女は自ら進んで集団レイプを受けるような行動に出てしまった。

目を覆いたくなるような悲劇だ。

の症状も増悪している。発情周期の短縮と、血液検査の結果からもそれは明らかだ。
そして、行動記録から、増悪の原因はたったひとつしかないと結論された。

その原因を取り除かなければ、を治療することはできない。
手術をしても、ホルモン治療をしても、『それ』を取り除かねば、治療効果は半減どころか、ほぼ0になりかねない。

英国に帰るまであと、1週間。
なんとしてでも、原因を取り除く。

そして、を英国に連れて行く。

真夜中、日本で6年ぶりに見る中秋の名月を見上げ、僕は、人知れず拳を握りしめた。
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