第13章 組曲:夏の夜の願い ”異榻同夢”
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8月1日。夏祭り当日。
玄関から出てきたを見て、鼻血が出そうになった。
綺麗に結い上げられた髪。いつもの金のホルンの髪飾りが別のもののように見える。
白地に藍色の花をあしらった上品な浴衣。
透けるように白い肌。うつむいたときの長いまつげと、ちらっと見えるうなじがなんとも色っぽい。
これだけで、10日は『作業』ができそうだ。
「に・・・似合うかな?」
夕方に近いとは言え、まだ暑い。顔を赤くしたが振り返るような姿勢で全身を見せてくれる。
た・・・たまらん・・・。
「に・・・似合う・・・すごい・・・モデルみたい」
正直な感想だ。それに引き換え、ボクの方は、本当にお仕着せという言葉がぴったりだ。
そもそも、ボクは浴衣でなくてもいいのでは?
と、ボソリと言ったら、また風香に胸ぐらをつかまれそうになったので、仕方なく着慣れないお父さんの浴衣を着ているせいというのもある。
いつもの通学路。いつもは距離を取って歩いているのに、今日は並んで歩いている。しかもは浴衣姿だ。それだけでなんだか特別感があって嬉しい。
もう少し距離が近いともっといいんだけどな。恋人同士というわけではないからしょうがないだろう。
お祭り会場についた頃には日が落ちていた。赤い提灯に照らされ、屋台がにぎやかに活気づいている。ジンベエさんを着た小さい子が走り回ったり、これまた浴衣のカップルが腕を組んで歩いていたりする。
色々と食べ物の屋台もあるな・・・。なんかお腹が空いてきた。
あちこちキョロキョロしていると、クイクイと袖が引かれた。
見るとがうつむきながらボクの袖を引いていた。その視線の先にはりんご飴の屋台。「食べたいの?」と聞くと、小さく頷いた。
歩きながらだと食べにくいので、腰を下ろせる場所を探し、並んでりんご飴を食べる。小さな舌でペロペロとりんご飴を舐めるの表情がなんかちょっとエロくて、ドキッとしてしまった。慌てて目をそらす。
でも、さっきから、すげーとか、うわーとか言っているのはボクだけで、はほとんど喋っていない気がする。やっぱり、無理やり誘ったから、だろうか?嫌だったのかな?