第13章 組曲:夏の夜の願い ”異榻同夢”
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扉を蹴り開けるヤツってホントにいるんだと、今日初めて知った。
ボクが部屋で真剣にパソコンを用いて『作業』に勤しんでいると、妹の風香がノックもせずに飛び込んできた。慌てて機密情報が映し出されたノートPCの画面を閉じる。
「陽!今すぐお姉ちゃんを夏祭りに誘いなさい!!」
な、なんだなんだ!?
面食らっているうちに、うちの妹はズカズカと寄ってきて、ボクの胸ぐらをつかむ。こら!暴力反対だ!
「四の五の言わずに、誘え!」
とても中学女子のセリフとは思えない。
「ちょ、何?いきなりさ。」
それ、と風香は机の上にある例の浴衣美人のチラシを指差す。例のそっくりの可愛い子ちゃんが浴衣を着ている夏祭りのチラシだ。
「そもそも、お姉ちゃんと行くつもりだったんでしょ?そうでしょ?」
いや・・・そうだけど・・・。でもなあ・・・。
はボクなんかが誘ってきてくれるとは思えない。この辺はお子ちゃまな我が妹にはわからない心の機微である。
胸ぐらをつかまれたまま目をそらされたのが気に食わなかったのか、さらにぐいっと締め上げてくる。く、くるしい・・・。
「陽・・・もう一度言うよ?黙って誘えや・・・さもなければ・・・」
右手でボクの胸ぐらをつかみながら、左手でノートPCを開く。画面いっぱいに現れる、さっきまでのボクの『作業』の素材たち。