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彼女はボクに発情しない

第11章 眠れぬ夜の間奏曲


あなたは人差し指を口に含むとピンと立てて、風を読む真似をした。本当に分かっているかわからないけど、その動作もなんだか芝居がかっていたのをよく覚えている。

「ん?あっちだな!?」

なんて言って、そのままビュンとホントに風のように走っていった。

嘘?探しに行くつもり・・・なの?

私がぽかんとしているうちに、5分くらいして戻って来た。その手に、私の受検票は、なかったけど。

「ごめん、見つからなかった・・・」

学生服のまま、大汗かいて、肩で息をして、本当に一生懸命探してくれたんだって思った。

「取り敢えず、先生に言ってみよう」

試験本部に行って、頼めばなんとかなるかもしれない、とあなたは言った。多分、私の顔色はすごく悪かったのだろう。あなたは何度も「大丈夫?」と言っていた。私からすると、ぜえぜえ、はあはあいっているあなたの方が『大丈夫?』と思った。

結局、受検票を忘れたという扱いで、生徒手帳を出すことで再発行してもらい、私は無事に試験を受けることが出来た。

手続きが終わって、あなたにお礼を言わなくちゃ、と振り返ったときには、すでにあなたの姿はなかった。

これが、一度目。
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